AIやデータサイエンスが学べる就労移行支援【Neuro Dive】
就労移行支援事業所の役割と価値
1. 体調を整えるための時間を確保できる
就労移行支援事業所に通所する目的の一つに、「体調を整えながら社会復帰の準備を進める」という点があります。日本では一度社会から離脱してしまうと、再び復帰するのが非常に難しいのが現状です。特に体調を整えながら社会復帰を目指すことは容易ではありません。そのため、就労移行支援を利用しつつ、精神科の薬を調整したり、体調を整える時間を確保できることは、非常に貴重だと言えるでしょう。
こうした時間を持てるだけでも、就労移行支援事業所に通所する意味は大きいと感じます。特に精神疾患を抱えている人にとって、新しい環境に適応するのは多くの時間を要します。
また、私のように一度社会に出て挫折を経験した人にとっては、なおさら準備期間が必要です。社会に出る前に一呼吸おき、心身を整えながら準備する時間を持てる点で、就労移行支援の利用には大きな価値があると考えています。
2. 障がい者雇用の非公開求人にアクセスできる
就労移行支援事業所を利用するもう一つの利点は、障がい者雇用の非公開求人にアクセスできる点です。ハローワークで障がい者雇用の求人を探しても、条件の良い求人を見つけるのは難しいのが実情です。たとえ求人があっても、労働条件が悪かったり、障がい者雇用の実績が全くない企業である場合が多いです。そのため、ハローワークの障がい者雇用の求人には、正直なところ期待できないという印象を持っています。
一方で、就労移行支援事業所が保有する非公開求人には、大手企業や条件の良い求人が含まれている場合が多くあります。また、地域にある就労移行支援事業所が、地元の企業とつながりを持っていることもあり、自宅の近くにある企業の障がい者雇用求人にアクセスできる可能性もあります。
障がい者雇用に特化した求人サイトを検索しても、掲載されている求人は東京の企業が中心で、地元の企業の求人は少ないことがほとんどです。移動時間や通勤の負担を考えると、できるだけ自宅から近い職場を希望する障がい者の方も多いでしょう。その点で、近場の企業とコネクションを持つ就労移行支援事業所の存在は、とても価値が高いと言えるのではないでしょうか。
3. コミュニケーション能力の回復を図れる
就労移行支援事業所に通所すると、多くの障がい者の方が利用している環境で過ごすことができます。その中で、自分の能力を見つめ直したり、他者とのコミュニケーションを取る機会が得られます。これが病気の回復にも役立つと感じています。
私の場合、うつ病を患っていたため、最初は対人不安が強く、他人と話すこと自体がとてもつらかったのを覚えています。一度うつ病などの精神疾患を抱えると、対人恐怖を抱えたり、引きこもりのような状態になってしまう人も多いのではないでしょうか。そのような状況で社会復帰を果たしたとしても、どれほど能力が高くても仕事を継続するのは難しいと感じます。
そのため、一度失ったコミュニケーション能力を回復させる場として、就労移行支援事業所は非常に貴重だと思います。事業所内では他の利用者や支援員とのつながりを持つことで、徐々に人との関わり方を取り戻していけます。また、支援員が常駐しているため、自分から積極的に話しかけることが難しい場合でも、支援員の方から声をかけてくれることが多いです。
これにより、対人コミュニケーションが苦手な人でも無理なく少しずつ能力を鍛えていける環境が整っています。精神疾患や対人不安を抱えている人にとって、就労移行支援事業所はコミュニケーション能力を回復させるための重要な場だと言えるでしょう。
まとめ
就労移行支援事業所は、社会復帰を目指す障がい者にとって大きな価値を持つ存在です。体調を整える時間を確保しながら、非公開求人へのアクセスやコミュニケーション能力の回復といったサポートが得られるため、利用する意義は非常に大きいと感じます。社会復帰に向けた準備期間を持ちたい方には、ぜひ就労移行支援事業所の利用を検討していただきたいと思います。